郷田 真樹

郷田 真樹 ごうだ まき

弁護士登録:2000年登録
経歴:愛媛県出身。愛媛大学法文学部卒業。民間企業勤務を経て、九州大学大学院法学府修士課程修了(基礎法学)。

郷田 真樹
主な分野

女性問題、LGBTQ+

離婚、DV、性暴力被害者支援 「結婚の自由をすべての人に」訴訟

弱くてもいい。頑張れなくてもいい。

私たちは誰もが大切にされるべき存在です。

復帰のお知らせ

郷田弁護士は、2021年春から当事務所を離れておりましたが、2025年4月より当事務所に復帰いたしました。

弁護士をめざしたきっかけは?

幼い頃からなんとなく生きづらさを感じていたことかなあと思います。表向きは明るく元気にしていましたが、いろいろなことに違和感を持つことも多くありました。

自分の力で生きたくて、中学校卒業時も、高等学校卒業時も、できたら就職をしたいと思っていました。結局、大学に進学はしましたが、卒業前には仕事を始めていました。
そういうさなかに、「隠されたエイズ―その時、製薬会社、厚生省、医師は何をしたのか (毎日新聞社会部)」(※)を読みました。巨大な力によって、個人の人生が、理不尽に、いとも簡単に奪われ、損なわれてしまうことに深い怒りを覚えました。同時に、それに対して闘う方法があるということ、闘っているのは何も特別な人達ではなくて、同じように怒りを感じた、ひとりひとりの人達なのだということが、強く印象に残りました。

(※/薬害エイズ事件)1980年代に血友病患者に対し、加熱処理をせず、ウイルスの不活性化を行わなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用したことにより、多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出した事件

女性協同法律事務所に入所したきっかけは何ですか?

医療問題を扱いたいと思いながら司法修習をしていた時に、女性協同法律事務所の設立者の一人である辻本育子弁護士と話をする機会がありました。辻本弁護士は、医療問題や患者の権利について取り組む、草分けの一人でもあったので、そのまま入所をさせてもらうことになりました。

入所後、どんな事件に携わりましたか?

入所後すぐから、ストーカー事件、性暴力事件、医療過誤事件などを担当してきました。翌年の2001年にはDV法(※1)が施行され、明けてもくれてもDV事件ばかりという時期がありました。
 
いまだにDVは無くなりませんし、被害者が逃げなくてはならないという理不尽さも解消されてはいませんが、DV法が制定されたことで、「ただの夫婦喧嘩」、「法は家庭に入らず」と放置されてきたことが、国や地方自治体が取り組むべき構造的・社会的問題であることがはっきりした意義は大きかったと思っています。
かつての「セクシュアル・ハラスメント」もそうだったのかと思いますが、私は「DV」を通して、ある事象や問題が、適切な言葉を得ることで概念化され、社会の意識を急激に変えていく過程のようなものを実感することができました。

2003年から、薬害C型肝炎(※2)・九州訴訟の弁護団員としても活動しました。かつて「隠されたエイズ」で読んだ薬害HIV訴訟の弁護団だった先輩方から、厳しくもあたたかい指導をいただきました。原告さん達と共に泣いて笑って、2008年の救済法の成立、2009年の肝炎対策基本法の成立を経験し、「歩き続けていたら、道は真っ直ぐではなくても、夢に近づくこともあるんだなあ」と不思議な気持ちがしました。

(※1/DV法)配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法)
(※2/薬害C型肝炎)出産や手術の際に、旧ミドリ十字(現三菱ウェルファーマ・ ベネシス)の血液製剤(フィブリノゲンなど)を投与されたことが原因で発症した肝炎

今も、DVや性暴力被害者の支援をライフワークとして位置づけていますね。

身体的に、精神的に、性的に、経済的に、自分を痛めつけてくる相手から、心身ともに傷ついた状態で逃げだし、損なわれたものを回復しようとすることは、本当に大変なことです。 弁護士に対してでさえ暴力的・脅迫的な言動をとる相手と出会うたび、ご相談者の方が、どれだけ蔑ろにされ、侮られ、罵られ、脅され、屈辱的で怖い思いをしてこられたのかと胸が痛みます。

しかも、逃げ出す先の社会は、格差が大きく、他人に対して不寛容で、女性や被害者に対する無理解や誹謗中傷に満ち満ちています。
それでも、力を尽くして逃げ出して、苦労をしながらも、心身の傷と向き合ったり、働いたり、育児をしたり、日々を必死に生きていらっしゃる人たちの姿を見るたび、胸が熱くなります。
辛い経験を乗り越え、糧にして、本来あるべき、その人らしい人生に戻っていく姿、より強く奥行きのある新しいその人になっていく姿には、人間の、底力のようなものさえ感じます。

セクシュアル・マイノリティに関することをご自身のテーマにしていますね。

今の私達はまだ、LGBT・性的(セクシュアル)マイノリティなどといって、人の性的指向・性自認について、メジャーかマイナーかを区別し、メジャーとされる価値観以外のものに対して、非常に無理解・非寛容な社会に生きているように感じています。
本来は別の問題なのでしょうが、人が不当に貶められて大切にされていない、当然あるべき権利が損なわれているという点で、セクシュアル・マイノリティに関することも、DVや性暴力に関することも、私のなかでは根っこは同じです。
どのようなセクシュアリティの方であっても、その人らしく生きられる社会になりますようにと、いつも思います。

今は、そのための活動の一つとして、「結婚の自由をすべての人に」という訴訟に携わり、パートナーが戸籍上同性か異性かを問わず、法律上の婚姻をして家族になれる制度の実現を目指しています。家族として生きる大切なパートナーが、異性であれば法律で保護するけれども、同性であれば全く保護しないという今の婚姻制度は、同性愛者に対してはその他の人とは違う取扱いをしてもかまわないという誤った認識を作りだし、構造的な差別を生み出す源になっていると思います。

たとえて言えば、「女は二級市民だから選挙権を与えなくていい=女は選挙権がないから二級市民だ」、「女は男性に劣るから殴っていい=女は殴ってもいいような存在だから男性に劣る」という、制度が先か差別が先かという、鶏と卵のような話です。
そのことは、婚姻制度に限らず、セクシュアル・マイノリティとされる人たち(幼い子どもたちも含む)の生きづらさ全般に直結していると感じます。 できるだけ早く、今の婚姻制度が改正され、社会意識も変化し、多くの人の生きやすさにつながればと願っています。

今の課題があれば、教えてください。

DV、セクシュアル・ハラスメント、性暴力、男女差別、セクシュアリティといった事柄で、辛い思いをする方が少しでも減るようにと思っています。
「結婚の自由をすべての人に」弁護団としての活動など、セクシュアル・マイノリティの権利にかかわる活動にも、注力をしていきたいです。

このホームページを見ている方に、届けたいメッセージはありますか?

あなたが生きていることが、ただそれだけですごいことだ、と言いたいです。 家族から虐待されて生きる価値を見失ってしまいそうな人、うつ状態で何もできないと自分を責めている人、仕事を失って途方にくれている人、何らかの被害にあって一歩も前に進めない気持ちになっている人。生きているのが苦しくて、今すぐにでも死んでしまいたいような気持ちになっている人は、たくさんいらっしゃることと思います。
それなのに、いま、死なずに生きていて、目の前の時間を一つずつ乗り越えて、人生を紡いでいる。そのこと自体が、本当に力のいる大変なことで、日々刻々とそれを成し遂げているんだ、ということを感じ取って、自分ってすごい、がんばっている、と思っていただきたいです。
弱くても、傷ついていても、頑張れていても頑張れていなくても、どんな状態であっても、あなたは大切にされる権利があるし、尊重されるべき存在です。
そのことを、ぜひお伝えしたいです。

弁護士紹介

経験豊かな女性弁護士たちがあなたのお悩みをトータルでサポートいたします

原田 直子
原田 直子

弁護士登録:1982年
経歴:福岡県出身。宮崎大宮高校・九州大学法学部卒業。

松浦 恭子
松浦 恭子

女性協同法律事務所 所長
弁護士登録:1992年
経歴:福岡県出身。修猷館高校・九州大学法学部卒業。

相原 わかば
相原 わかば

弁護士登録:1995年
経歴:東京都出身。千葉県立船橋高校・一橋大学法学部卒業。

郷田 真樹
郷田 真樹

弁護士登録:2000年登録
経歴:愛媛県出身。愛媛大学法文学部卒業。民間企業勤務を経て、九州大学大学院法学府修士課程修了(基礎法学)。

佐木 さくら
佐木 さくら

弁護士登録:2001年
経歴:長崎市出身。長崎西高校・京都大学法学部卒業。

山崎 あづさ
山崎 あづさ

弁護士登録:2001年
経歴:福岡県生まれ。広島県立廿日市高校・九州大学法学部卒業。

柏熊 志薫
柏熊 志薫

弁護士登録:2007年登録
経歴:東京都出身。早稲田大学法学部・同大学大学院修士課程(民事法学専攻)修了・中央大学法科大学院修了。

井芹 美瑛
井芹 美瑛

弁護士登録:2015年登録
経歴:熊本県出身。九州大学法学部卒業、同大学法科大学院修了。